保護者がとれる「2つの方法」…「児童相談所の怖い話」より
「児童相談所の怖い話」(内海聡、三五館、2013/1/23)という本があります。児童相談所がいかに恐ろしい組織であるかが、克明に書かれています。この本に、子供が一時保護されたときに保護者がとれる「2つの方法」と、児相と敵対することの恐ろしさが書かれていますので、一部を引用して、紹介します。
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保護者がとれる「2つの方法」
「児童相談所の怖い話」より引用、松島氏の発言:
当団体のコメント:
児童相談所に敵対することの恐ろしさ
「児童相談所の怖い話」より引用、松島氏の発言:
虐待を否認でもした日には、ウチみたいに何年も会わせてもらえないような事案に発展してしまうのです。
児童相談所に不当に介入された場合の抜け道なんてありません。当然ながら救済できる方法もない。
「児童相談所の怖い話」より引用、弁護士・南出氏の発言:
(児相は)児相の理屈を全面的に飲まない限り子どもは帰さない。
私が受任するということは(注:弁護士を立てて国賠訴訟で争うということは、の意)、児相や厚生労働省は私を目の敵にしてやってくるから、帰って来る子どもも帰ってこないかもしれないよ、と言っています。
極端に言うと、罰金で済む事件が死刑になるかもしれないよ、と。
極端に言うと、罰金で済む事件が死刑になるかもしれないよ、と。
本当に子どもを返してほしかったらゴメンナサイってもみ手して、児相の所長に頭を下げて返してもらえばいいのを、自分のことでありながら公のこととして(国賠訴訟を)やる。
ただ単に計算づくで考えるんだったら、こんな損なことはありませんから。
当団体のコメント:
ただ単に計算づくで考えるんだったら、こんな損なことはありませんから。
徹底抗戦を勧める善意の支援者が引き起こす二次被害
「児童相談所の怖い話」より引用、著者・内海氏の発言:
親身になって被害者の愚痴を聞き、「一緒に闘いましょう」などと近寄ってくる善意の支援者が引き起こす二次被害もある。
こうした善意の支援者というのは悪意なく、打ちひしがれている被害者に優しい言葉をかけ、悩みを聞いたりするから、被害者にしてみればまさに救世主が現れたと信頼してしまう。
しかし、こうした善意の支援者というのは、必ずしも被害者の希望する闘い方を応援してくれるとは限らない。
児童相談所が間違ったことをしているのだから、その間違いを指摘し、徹底的に闘い、正義を貫こうとする。
確かに児童相談所が間違っているのだし、それに対して徹底抗戦することは間違いではないのだが、そうした善意の支援者の助言によって児童相談所との関係性を悪化させてしまい、被害者が「子どもとの接点を失いたくない」と希望していても完全に面会を禁止されるような事態になってしまったという事例もある。
当団体のコメント:
こうした善意の支援者というのは悪意なく、打ちひしがれている被害者に優しい言葉をかけ、悩みを聞いたりするから、被害者にしてみればまさに救世主が現れたと信頼してしまう。
しかし、こうした善意の支援者というのは、必ずしも被害者の希望する闘い方を応援してくれるとは限らない。
児童相談所が間違ったことをしているのだから、その間違いを指摘し、徹底的に闘い、正義を貫こうとする。
確かに児童相談所が間違っているのだし、それに対して徹底抗戦することは間違いではないのだが、そうした善意の支援者の助言によって児童相談所との関係性を悪化させてしまい、被害者が「子どもとの接点を失いたくない」と希望していても完全に面会を禁止されるような事態になってしまったという事例もある。
冷静に対応することの必要性
「児童相談所の怖い話」より引用、著者・内海氏の発言:
児童相談所職員に服従することを心に決めて選択した被害者の中にも、最初の頃は我慢していながらも、あまりにも職員の言動がひどくて、職員と口論になったり、 持論をぶつけてしまったりして、結局早期に子どもを取り戻せる機会を逸してしまい何年も経過してしまっている方が多いのだという。
当団体のコメント:
ここに書かれていることは、先に書かれていた「中途半端な対応は児童相談所の思う壺になり、子どもを奪還する機会を失う」と似ています。児童相談所からの理不尽な指導に従うことを選択したならば、最後までそれを貫かなければなりません。
「児童相談所の怖い話」より引用、著者・内海氏の発言:
児童相談所から被害を受け、どんなに動揺して気が動転したとしても、さらに支援者からも結果的に被害を受けるなんてことが起きないよう、冷静に対応する心構えは常に持っておいたほうがよいだろう。
当団体のコメント:
子供が一時保護になると保護者はパニックになりがちですが、まず落ち着くことが勧められています。そして、前記の「善意の支援者が引き起こす二次被害」(児相と闘う選択をすることで子供を取り戻せなくなること)を受けることがないよう、再度注意が促されています。
最後に
この本に出てくる児相に対する国賠訴訟は残念ながら保護者側の敗訴となり、親子断絶は解かれませんでした。事前に弁護士が警告した「罰金で済む事件が死刑になるかもしれない」が現実になってしまったのです。
この本では保護者に「2つの方法」があるとされていますが、子供を救出する前の段階で児童相談所と国賠訴訟で闘うことがそれほど危険であるとすれば、事実上、保護者がとれる方法は「児相の指導に従う」の一択、ということになります。
もう1つの「国賠訴訟で闘う」という選択肢は、「児相の指導に従う」をしても子供が帰ってこなかった時の非常手段、他に打つ手がないときの最終手段としてとるべきものなのです。
つまりこの本の結論は、①可能な限り児童相談所とは敵対せずに子供の救出を優先し、②それができなかった場合は泣き寝入りせず国賠訴訟で児童相談所と闘え、ということになります。事実上、これ以外の選択肢はないと考えるべきでしょう。
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「人身保護請求裁判」という言葉が出てきますが、同書籍の中で人身保護請求裁判は非常に難しいとも書かれていて、事実上、法的判断に委ねる方法は国家賠償裁判のみであるとされています。
そうすると2つの方法とは、①国家賠償裁判で法的判断に委ねる、②児相職員に徹底した服従をもって子どもを取り戻す、の2つということになります。
さらに「中途半端な対応は児童相談所の思う壺になり、子どもを奪還する機会を失う」と書かれており、②を選ぶなら、徹底して②を貫かなければならないと述べられています。