一時保護を解除する方法

法律で認められている保護者の「3つの権利」


 児童相談所と闘うには、法律で認められた保護者の権利を活用します。

 そのために保護者にどのような権利があるのか知る必要があります。

 児童相談所からの指導に従わずに一時保護の解除を目指すのは、リスクの高い行為ですから安易にすべきではありません。法律で認められている権利を用いるのは完全に合法ですが、児相職員の中にはそれを「児童相談所に敵対している」と考える人間もいます。以下で説明する方法は逆に一時保護の解除が遠のくリスクがあることを理解したうえで慎重に進めてください。

 このページでは保護者の権利を簡単に説明しています。詳細は別途詳細ページをご参照ください。

権利①「相談し、調査・判定・指導を受ける」権利(児童福祉法11条1項2号ロ、ハ、ニ)
 児童福祉法には、児童相談所の行うべき業務が規定されています。その1つが「児童の一時保護を行う」(児童福祉法法11条1項2号ホ)ですが、それ以外にも「保護者からの相談に応じ、調査、判定、指導を行う」ことが法的義務として規定されています(同法11条1項2号ロ、ハ、ニ)。

 法律では、義務と権利は表裏一体であり、一方の義務はもう一方の権利になるという関係があります。前記の法律は、保護者に「児童相談所に相談し、調査・判定・指導を受ける」という法的権利がある、と規定されていると同じです。

 詳細は次のページを参照してください。
  保護者の「相談し、調査・判定・指導を受ける」権利(児童福祉法)


権利② 児相が保有する個人情報の開示を請求する権利(個人情報保護法76条・開示請求権)
 個人情報の保護に関する法律(通称「個人情報保護法」)で、「行政機関等の保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することができる」と定められています(個人情報保護法76条1項)。「開示請求権」と呼ばれます。

 児童相談所行政機関の1つであるため、この開示請求権により、児童相談所が保有している個人情報の開示を請求できます。ここでいう個人情報とは、児童相談所で記録されている、その個人に関する情報すべてです。つまり、児童相談所で記録されている情報すべてを入手できます。(ただし開示が適切でないと判断された部分はマスキングされます。)

 この法律では、保護者が未成年者の代わりに開示の請求ができることも定められています(個人情報保護法76条2項)。

 この手続きは「保有個人情報開示請求」と呼ばれています。
 (詳細な説明ページを作成中です。)


権利③ 指導内容の書面の交付を求める権利(行政手続法35条3項)
 児童相談所行政機関であるため行政手続法が適用されます。行政手続法で、行政指導を行う際には当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならないこと、及び、それを記載した書面の交付を求められたときはこれを交付しなければならないことが定められています(行政手続法35条1項、3項)。

 つまり保護者は、児相職員から口頭で行政指導を受けたとき(作為(~すること)や不作為(~しないこと)を求められたとき)、その指導の「趣旨及び内容並びに責任者」を記載した書面の交付を求めることができます

 交付の求めは口頭でも成立するはずですが、児相職員もこの規定を知らず話が通じない可能性が高いため、交付を求める書面を提出することをお勧めします。書面の書き方に決まりはありません。

 (詳細な説明ページを作成中です。)


具体的な闘い方
 これらの権利を活用して児童相談所一時保護解除に向けての対話を進めます。その基本的な流れは「一時保護を解除するためにどうしたらいいか相談する」→「相談が正しく受付されたことを確認する(開示請求)」→「一時保護を解除するための指導を受ける」→「指導内容を書面で入手する」→「その指導が受け入れられる内容ならば指導に応じる(これで一時保護は解除に向かいます。指導内容が不当なら一時保護の解除後に児相を訴えることができます)」または「その指導が受け入れがたい不当な内容なら、その指導の妥当性について争う」となります。

 児童相談所の強大な権限に対して保護者が抵抗する方法はほとんどありませんので、児相職員の指導に従わなければならないという点ではこれまでと同じですが、通常はブラックボックスで行われている児相職員からの指導を公にすることで、児相職員の横暴を止め、一時保護を解除するための適切な指導を行わせるのです。ここに書いた方法は法的に認められた保護者の権利を行使しているものであり、児童相談所と闘う突破口になり得ます。

 別途詳しく説明します。


その他の権利
 ここで挙げた3つの権利の他にも、例えば行政手続法32条の「行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならない」(=保護者は所掌事務の範囲を逸脱しない指導を受けることができる)等々、保護者の権利を示す条文はいろいろありますが、これまでの経験上、児童相談所と闘うにあたって実用的な権利としては上記の3つが主なものです。

 他にも実用的な権利があれば追記していきます。


「一時保護を解除する方法」に戻ります。
このページに対するご意見・ご感想・ご指摘等をこちらからお寄せください。
(C) 2025 児童相談所適切化協会